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/『患者に学んだ成人型アトピー治療-脱ステロイド・脱保湿療法』佐藤健二著
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脱ステロイド脱保湿療法が専門の阪南中央病院皮膚科部長 佐藤健二医師の著書『患者に学んだ成人型アトピー治療』のレビューをまとめました。読者の意見で多数を占めていたのは、「脱ステ脱保湿の指南書です」「家族の方にも読んで頂きたい」と強くこの書を勧めるものでした。全国的にみてもまだまだ脱ステロイドに理解のある医師が少ないなか、佐藤医師はこれまでの臨床経験で培った独自の療法を、書籍を通して私たちに提言してくれています。実践者はもちろんのこと、家族や親戚友人にステロイド治療に疑問を持っている方にぜひ読んで頂きたい一冊です。
レビュー内容をまとめました
アマゾンと楽天ブックスのレビューを調べ、【未来の読者へ】【著者の印象】【世間への影響】の3つのジャンルに分類して整理してみました。新版および旧版両方のレビューを調べましたが、新版レビュー内容が旧版のそれと著しく変わっている様子がみられなかったため、以下に一緒にまとめて記載します。書籍選びの参考にして下れば幸いです。なおレビュー一言一句そのままではありません。文意を損なわない程度に読みやすく箇条書きにしてまとめておりますことをご了承ください。
【未来の読者へ】
・成人の難治化アトピーで苦しむ方、その家族の方々に是非読んで頂きたい
・脱ステロイドだけでは失敗していましたが、脱保湿に取り組んで成功しました
・自分の家族と同じ悩みの方が全国におり、ステロイド治療しか選択できない現状を危惧しました
・脱ステロイド脱保湿の指南書です。何度も読み返して、一人で実践しました
・ランクが低いステロイド外用剤を使っている方も一度は読んでください
・図や写真がないので、ネット検索して実際の様子を確認しながら読んでください
・少し難しいけれど皮疹の経過が良くわかる本です
・この本を読んで、佐藤先生のいる病院へ行きましたが、入院や通院することが困難な人は、この本を参考にして、脱ステロイド脱保湿を継続して取り組めます
・「脱保湿」という重要キーワードにかならず目を通してください
・ステロイドを使いながら状況をコントロールできない人、ステロイドの効き目がなくなっている人、ステロイド皮膚症から脱したいアトピー性皮膚炎の方のための本です
・脱ステロイドを目指す人はもちろん、ステロイドやプロトピックが効かなくなって皮膚科の標準治療に疑問を持ち始めた人は、まず読むべき本です
・本の通りの経過で安心して実践できました。心強かったです。ありがとうございました
・私の今までの皮膚科不信が正しかったと証明してくれました
・著者の長年にわたる臨床の成果、読み応えがあります
・脱ステロイドかつ脱保湿を取り入れている病院は少なく、簡単に受診することはできません。そのため、こういった本があるとありがたいです
・脱ステロイドを実施するに基本的な治療方法は、脱保湿、水分制限、運動そしてシャワー制限であるとわかりました
・脱ステロイド脱保湿中はほんとうにキツくて、理解してくれる人も多くはないので、この本を読みながら、確認して取り組みました
・感染症や高熱時の対応は自宅療養だけでは困難かもしれません
・脱ステロイドを実践し、ステロイド皮膚症を治すための本であり、アトピー性皮膚炎を治すことを書いた本ではありません。
【著者の印象】
・ストイックな印象があるので、先生の指導についてこれない患者は辛いかもしれません
・日本皮膚科学会認定皮膚科専門医の佐藤医師が皮膚科学会主流派を公然と批判しています。佐藤先生の勇気に敬意を表します
・一般の読者が読んでもわかり易いように簡単な言葉や言い回しが使われ、著者による工夫の跡が感じられます
【世間への影響】
・全国の皮膚科医にも熟読して頂きたい
・佐藤先生のような皮膚科医が少しでも増えれば、ステロイドやプロトピックの害に苦しむ患者が減ると思います
・皮膚科学会主流派は自分たちの利益のために、どれだけ多くの人々を苦しめているか、そろそろ気づくべきです
目次でみる新旧版比較
新旧比較すると項目は一部を除いて同一です。※印を付した項目は旧版には記載がないものですが、私の判断で該当すると思われる章番号を代わりに示してあります。しかし、旧版から6年の月日が経過していますので、その間に積み重ねられた臨床データに基づいた佐藤先生の新しい見識を知ることができるでしょう。なお、一般の方にわかりやすいように【用語解説】が設けられてあります。例えば「萎縮(いしゅく):うすくなっていること」という風な感じです。
本の情報
書籍名:〔新版〕患者に学んだ成人型アトピー治療-難治化アトピー性皮膚炎の脱ステロイド・脱保湿療法
著者:佐藤健二
頁数:252ページ
出版社:柘植書房新社
出版年:2014年12月
ISBN-10:480680665X
USBN-13:978-4806806653
商品の寸法:21 x 15 x 2.6 cm
(表紙・裏表紙イメージ)
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患者に学んだ成人型アトピー治療―難治化アトピー皮膚炎の脱ステロイド・脱保湿療法
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患者に学んだ成人型アトピー治療新版
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/水分摂取法-制限期はひと工夫で乗り越える!適量は尿の色で判断する
<要約>――――――――
・リバウンド期間中、ひどく口渇を感じるが、その欲求にもとづく水分の過剰摂取は、低蛋白血症、滲出液量の増加に結びつく。
・水分制限は、1000~1500ml/dayがひとつの目安となる(佐藤健二著『患者に学んだ成人型アトピー治療―脱ステロイド・脱保湿療法』柘植書房新社 (2008/05))。
・水分制限は、低蛋白血症の予防、滲出液量の減少に効果がある。
・私の場合、水分制限は、口渇が感じられてから滲出液が出終わるまでの期間行っていた。
・水分制限のテクニックは、コップ一杯の水でもちびちび飲むこと。じゅーすなども織り交ぜて、気分を変えながら楽しく飲むこと。
・薄く黄色みがかった尿であれば、適切な水分摂取量であると判断がつく。
――――――――――――
今回は水分摂取について記します。
水分制限の効能-皮膚の回復速度と滲出液量、低蛋白血症
水分摂取量は、滲出液と併せて考えなければなりません。つまり、水分を多く摂るとそれだけ滲出液の出る量が多くなるからです。これは、脱ステ中の身体が、新陳代謝が健常になっておらず、また、皮膚の機能が完全に回復していないため、全身の水のめぐりが悪く、摂取した水分を有効に活用することができないのが理由です。有効利用されなかった水分は概ね滲出液となって体内から排出されるというのがその道理です。
ですから、滲出液が出ている期間は極力水分を控えなければなりません。ですが、この時期の水分制限はかなり酷な制約ともいえます。滲出液がでていて、体内に取り込まれる水分が少ないから口渇が起こり、それを満たそうとするあまり、水分を取ると滲出液量が多くなる。滲出液量が多くなり、体内に取り込まれる水分が少ないから口渇がおこる…、堂々巡りであるからです。
しかし、ここは水分制限を行ってください。この時期の水分摂取量はできるだけ 1000~1500ml/day の範囲に収まるようにしてください。水分制限を行えば次のような点を満足することができます。
利点1.低蛋白血症を防ぎ、皮膚の改善が早くなる
利点2.滲出液(滲出液は主に夜にでます)の量が少なくなる
この2点が利点として挙げられます。 特に1点目が重要です。
1点目について説明します。
まず、低蛋白血症とは、血液中の 蛋白濃度が正常値よりも少なくなることです。皮膚をつくるのは蛋白質。食事で折角とった蛋白を、過剰な水分摂取による蛋白濃度の低下により、体外へ 無駄に排出されているといわれれば、過剰な水分摂取は愚といわざるをえません。皮膚の改善を助けるためにも、ここは我慢して、水分制限を守らなければなり ません。
2点目についてです。水分を取りすぎないようにすると、夜中に出る滲出液量は感覚的に少なくなったのがわかりました。しかし、 滲出液が出る時期はどんなに水分制限をがんばっても出ることは出ますから、水分制限の効用があるとはあまり自覚できないかもしれません。私の経験上、ほんの気持ち分だけ液量が少なく なったかな…?という程度でした。
水分制限の効果を推し量るには、滲出液量の大小で考えるのではなくて、1点目に記したように、皮膚の改善のスピードで計ればよいです。しかし、それも目に見えて極端にわかるわけではありませんし、自分の身体が2つあって比較実験しているわけではありませんから、「あぁ、今日はこれだけ水分摂取を守ったのだから、きっと皮膚の治りも早いだろう な…」と精神上の効用に代えざるを得ないのは仕方のないことですが、やはり、水分を飲みすぎた日と制限量を守れた日と比較すると、後者のほうが皮膚の治る速度に乱れがない気がしました。
私は、水分制限は、滲出液が出終わるまで行いました。
一口大の氷、白湯の利用
水分摂取のコツとしては、一口大の氷を口に含んで、時間をかけて溶かしながらて水分を摂るのはお勧めです。口の粘膜に水分を十二分に行き渡らし、固形から液体の水分を取り出すようにイメージしながら氷を溶かすと心理的に効果的です。
氷のほかにも白湯を飲む方法もあります。温度は気持ち高めにして、熱いものをすするかのように白湯を飲みます。水分制限期が秋~冬場に入るのならお勧めの方法です。もちろん春~夏期でも効果的です。私は春~夏場の脱ステ脱保湿期間でしたが、白湯でのちびちび水分摂取はがぶ飲みを防ぎ、身体も温まり、効果ありました。
氷、白湯いずれにせよ、がぶ飲みをせず、ちびちび水分を摂ること、これが水分制限期間において大切な水分の摂り方です。
ジュースも楽しみの一つに
水分制限も脱ステ・脱保湿中の過酷なものの一つです。脱ステ・脱保湿中は味覚も鈍化するので、水だけを飲むのではなくて、ジュース類(ポカリ、サイダー、コーラ、ファンタなど)も飲むのも許されます。ただでさえ、のどの渇きと闘っており、大変な思いをしています。佐藤健二先生の本にも「水分摂取にはアルコールやコーヒー(コーヒーは刺激物となると懸念されています)以外のものであればなんでもよい」、ということが書かれてありましたので、気持ちの面で楽になります。私は、日常的にジュース類は飲まないのですが、この水分制限期間はいろんな 種類のジュースをちびちび味わうように飲んでいました。
しかし、コーラや炭酸飲料は身体に負荷をかけるように思いますので、私は途中から野菜ジュースを楽しみのひとつとして飲むようにしました。酸化防止剤のビタミンCが入っていない野菜ジュース、果物ジュース、ミックスジュースがお勧めです。
水分制限は滲出液が止まるまでの辛抱です。口渇は幾週間も続きますが、皮膚の改善を促進させるためにも辛抱します。
(用語解説)
低蛋白血症:血清蛋白の濃度が正常値以下になった状態。血清蛋白 のなかでも、アルブミンが減少することが多い。内因性と外因性とがある。内因性のものは先天性無アルブミン血症、蛋白合成の低下、蛋白分解の亢進、体外へ の蛋白喪失などによる。外因とは蛋白の供給不足で、蛋白摂取量の低下、腸管からの吸収不全などによる。症状は浮腫、貧血、食欲不振、慢性下痢、心機能低下 などが生じる。原疾患の治療が基本であるが、血清蛋白量を上げるために、濃厚ヒトアルブミン、乾燥プラスマ、アミノ酸剤などの注射や輸血を行う(出典:ブリタニカ)
アルブミン:単純蛋白質の一種。血清中には約7~8%の蛋白が含まれており、現 在、約100種類が知られているが、アルブミンが最も多く、血清総蛋白の70%近くを占めている。これらの血清蛋白は体の健康を維持するため、常に体内で 合成され続けているが、肝臓や腎臓などの機能障害で体内の代謝に異常が生じると、血液中のその値が変動するので、その測定が疾病の診断に利用されている。 ことにアルブミンとグロブリンの比(A/G比という)の測定は重要で、血清総蛋白の値は正常でも、この比の値が低下した時は、肝臓障害や癌が疑われる(出 典:ブリタニカ)
適切な水分摂取量は尿の色で判断する
水分が適切に摂取できているか判断するには、尿の色で見分ける方法があります。
黄色の尿であれば適切な水分量、透明であればそれは水分の摂りすぎです。
薄く黄色がかっている尿であれば、適度な水分摂取だと判断します。
日々、淡く黄色の尿となるように水分摂取量を調節しましょう。
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/皮膚の回復経過 | アトピー脱ステロイド
ステロイド離脱現象において、皮膚が快復する順序を記す。これはあくまで私の場合であるが、往々にして多くのステロイド離脱者が同じような経過を辿っているため、治癒経過としては概ね誤りではないといえよう。
1. 皮膚が赤銅色に変化し、滲出液が皮膚からでてくる
2. 滲出液量が増加する。特に夜間に多い。
3. 滲出液の粘性が低下する。さらさら感が増す。
4. 皮膚から出血がみられる。皮膚に裂罅(れっか)・亀裂がみられる
5. 大きな痂疲(かひ)できてくる
6. 痂疲だんだん小さくなってくる
7. もとの皮膚に快復する
ねっとりとした滲出液からさらさらした滲出液に変化する頃には、リバウンドの峠は越えている。しかし、滲出液が出ている期間は、カポジ水痘様発疹症といった疾患や皮膚感染症に十分注意が必要である。
一連の過程において皮膚の痒みと痛みとの闘いに苛まれる。特に痂疲ができる時期は、痒みが一段と増幅してしまう。しかし、痒みを我慢する必要はないので、適度に痒みを紛らわすことが本人のストレスをいくらか軽減させる。周囲の人間は「掻くな」と言わないことが大切。掻いている姿を見ても、見て見ぬふりをすること。
落屑が小さくなるに従い、皮膚は回復していると考える。皮膚の回復の最終段階は、ステロイド使用する前の皮膚の状態になることである。
/科学のめざすところ_ステロイド離脱体験を通して
ステロイド離脱を客観的に認め合うことのできる社会が生まれれば、もっと住みやすい世の中になるかも...しれない