更新日:2017-02-11

「しんしゅつえき」を検索するとき、浸出液か滲出液かで検索するのを迷ったことはありませんか?

浸出液のほうが一般的表記のように思えるけれども、医学用語的には滲出液が適切なのではないか?

私も疑問を持ちながら、脱ステの記事を検索したのを思い出します。

今回は、「浸出液」と「滲出液」との対比をまとめてみます。

漢字で見る「浸」と「滲」

漢字字典で浸、滲の両字を調べました。

exudate_mindmap
「浸」「滲」mindmap

「浸」と「滲」とを漢字字典で調べてmindmapにしてみました。大修館書店 漢語林(1987)より。

両字ともに、液体物がしみこんでひろがっていくさまをいい、特にじわじわとひろがるという箇所がポイントだとわかります。

しかし、これだけでは、浸、滲の使い分けがいまひとつわかりませんでした。

音読みで見る 浸と滲

浸と滲とをキーボードで打つ場合、「浸」は「ひたす」、「滲」は「にじむ」と入力すると出ます。
にじむに「浸」、ひたすに「滲」は表示されません(少なくとも私のPC上では)。

よって、にじむ、ひたす、それぞれの言葉から受けるニュアンスが、浸と滲との使い分けの判断材料になろうと思います。

辞典によると、それぞれの意味は次のように書かれています。

浸す:水などの中に入る、つかる。
ある状態や心境に入りきる

滲む:液体がものにしみて広がる
液体がうっすらと出てくる

小学館『大辞泉』(1995)より

浸すは、主語が人や擬人化されたもの、目的語に液体(水、温泉、酒)や感情(喜び)をおきます。
例:喜びにひたる

滲むは、液体(血、水、涙)が主語になります。
例:血がにじむ

これをみると、浸すが文学的な意味合いで用いられる傾向にあるようです。

科学では客観的記述を好みますので、しんしゅつえきを漢字にする場合、滲出液とすることが妥当と考えられます。

医療関係者が書くサイトで滲出液の単語を目にする機会が多いのも、なんとなく頷けるというものです。

もちろん、浸出液でも意味は通じますし、意思伝達においては、なんら不足はないと考えられます。

英単語で見る 浸すと滲む

浸すと滲むの英単語は次のようになります。

浸す: dip, steep, soak
滲む: run, blur, spread, blot, ooze

浸すの主語は人、滲むの主語は にじんでいくそのもの(液体など) ですから、主語を文法に重んじる英語では、当然、ひたす、にじむの単語も異なるわけです。

英語で滲出液は exudate があてはまります。

浸出液、滲出液の検索キーワード比較

しんしゅつ液に関連するキーワードを検索エンジンで比較してみました。
平成28年11月上旬の検索結果です。

滲出液関連のネット検索結果
滲出液関連のネット検索結果

(※検索時期 2016年11月上旬)

bing検索では、滲出液で検索される割合が他の2つの検索エンジンよりも高いことがわかります。

私がサイトを訪れた印象では、医療専門家の各記事には「滲出液」、経験者・体験者ブログでは「浸出液」「滲出液」が混在している印象です。

<まとめ>
「しんしゅつえき」を漢字で表す場合、 浸出液、滲出液どちらで表現しても読み手には意味は通じる。 しかし、科学レポートの様に、より客観的に記述する場合は、液体を主語にした「滲出液」を用いるのが好ましい。 一般の患者さんがインターネットで医療関係者の記事を探すときは「滲出液」、 脱ステ経験者のブログを探すときは「浸出液」「滲出液」両方で検索するのが、 効率のよい検索となる。

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